arrows MAGAZINE

2020.02.12 Wed

スマホ写真講座arrows@支部 第54回

arrows RXではプリインに!Lightroomで写真を補正しよう③

こんにちは、ブログ「エアロプレイン」の のりお です。

arrowsで撮る、ということに注力するこの連載。今回は、「arrows RX」でプリインアプリとなったうえに、他のarrowsシリーズでも利用できる便利な写真編集アプリ「Adobe Lightroom mobile」を引き続きご紹介します。

ホワイトバランスを調整してみよう

今回のLightroom mobile は、写真の「色」を調整できる、ホワイトバランスについての編集をご紹介します。ホワイトバランスは、調整することでより肉眼でみた風景に近づけることも、現実ではありえないような風景にすることもできるという、写真の醍醐味のひとつともいえるパラメーターです。

このホワイトバランスとは、ざっくり説明するならば、どのような光の色があたっていたとしても、白い壁を白く写すための補正のこと、と考えてもらえれば良いかなと思います。例えば真っ赤な夕陽が当たると壁は赤くなりますよね。青いイルミネーションの光があたれば青くなります。このようなとき、ホワイトバランスを調整することで、壁を本来の白い壁へと調整することができるのです。つまり、ホワイトバランスは光の色を調整するパラメーターなのです。

この概念は言葉で説明するのがとても難しいので、まずは以下の作例をご覧下さい。

このような風景写真があったとき、ホワイトバランスを補正することで、印象を大きく変えることができます。

ホワイトバランスの調整で「自動」を選ぶとこのような感じ。少しだけ暖色っぽくなりました。

通常はここで終えてしまっても良いのですが、せっかくLightroomを使っているので、ここからはホワイトバランスを自分好みにしてみたいと思います。

スポイトツールを使おう

ここで登場するのがスポイトツールです。

こちらの写真の「ミックス」という文字の下にある、その名のとおりスポイト型のアイコンがスポイトツールです。これをタップすると、以下のような画面になります。

この丸いモノがスポイトです。このモードでは、内側の小さい円の中心にあるものを基準にホワイトバランスを調整します。この時注意したいのは、ホワイトバランスという名前ではあるものの、基準となるものを「明るいグレー」で表示しようとするのが、ホワイトバランスの働きであるということです。つまり、本来明るいグレーである点を円の中心にすれば本来の色に、明るいグレーとは似つかない色を選べば、通常ではありえない色味に写真を調整することができるのです。

たとえば↑の写真では、オレンジ色に紅葉した葉っぱを基準点にしてみたところ、画面全体が青っぽい色になりました。

↑では赤い屋根を選んだところ、先ほどまではいかないものの、青っぽさのある、真冬の早朝のような色合いになりました。ちなみに調整には限界があるので、赤い屋根がグレーになるまでには至っていません。

明るいグレーである石畳を選択すると、もともとの色味に近い、自然な色合いになりました。

さらにわかりやすい例として料理写真にも補正を適用してみます。こちらはビーツの色を生かした赤いリゾットです。

この赤いリゾットを基準にすると…このようにちょっと食欲が減退しそうな色になります。

リゾット本体ではなく、そのお米が生み出す影の縁を選択すると、ちょうどよい感じの色になりました。

この例のように、食べ物においてこのホワイトバランスというものは大変に重要で、その料理がおいしそうに見えるかどうかに大きく寄与します。ですから、もし料理の写真を撮って、おいしそうに見えない…と感じることがあったときには、このホワイトバランスを調整してみてください。