arrows MAGAZINE

2020.08.21 Fri

arrowsマニア情報局 第220回

ついに発売!「arrows 5G F-51A」の“arrows初”を探ろう!(その2)

arrows lifeをご覧の皆様、「せう」です。一応「立秋」を過ぎたはずなのですが、今までずっと梅雨だった反動か、暑い日が続いています。熱中症には気を付けましょう!


「arrows 5G F-51A」の付属品はとってもシンプル

さて前回、「arrows 5G F-51A」のパッケージとその中身を紹介したわけですが、その中でarrows初(あるいはそれに近いもの)が映り込んでいたので、今回はそれらを紹介します。

SIMトレイをピンで着脱(ドコモ向け初)


ドコモ向けのarrowsとしては初めてピン着脱式のSIMトレイです

F-51Aは、NTTドコモ向けのarrowsとしては初めてSIM(UIM)トレイをピンで着脱する方式を取っています。トレイの右側に空いている穴にSIM取り出しツール(いわゆる「SIMピン」)を押し込むと、トレイが飛び出る感じです。

ピンで取り出すSIMトレイを備えるスマホやタブレットの多くは、microSDカードも同じトレイに載せて着脱するものが多いです。しかし、F-51AはmicroSDカードをスロットに直接差し込む構造です。そのため「SIMカードを外すにはmicroSDカードも外さないといけない」ということはありません。

ただし、microSDカードを着脱する際は電源を切ってSIMカードを外さないといけないことには変わりないので注意が必要です。

イヤホンはUSB Type-C接続“のみ”


付属品の「USB Type-C 3.5mmイヤホン変換アダプタ」

F-51Aは、arrowsとしては初めて3.5mmイヤホンマイク端子を備えません。イヤホンマイク、ヘッドホンマイクなどをつなぎたい場合は、以下のいずれかの方法を取る必要があります。

1. 付属の「USB Type-C 3.5mmイヤホン変換アダプタ」を使う


アダプタ経由でイヤホンマイクをつないだ図

F-51Aには、試供品として「USB Type-C 3.5mmイヤホン変換アダプタ」が付属しています。これをF-51AのUSB Type-C端子につなぐと、3.5mmプラグを持つイヤフォンマイクをつなげられます。

個人的には見た目的に美しくない気もしますが、最近は珍しくもなくなってきましたよね、こういう光景……。

2. 「USBオーディオ」対応のイヤホンマイクをつなぐ


USBオーディオ対応のイヤホンマイクをつなげます

USB Type-C端子経由でスマホの音声を出力する方法は2つあるのですが、F-51Aが対応するのは「USBオーディオ」という規格に準拠したデバイスをつなぐ方法です。

最近は、USB Type-C端子を備えるパソコンやAndroidスマートフォンとつなぐことを前提にした「USB Type-Cイヤホン」も多くあります。また、F-51Aの付属品以外にも「USB Type-C端子を3.5mmイヤホンジャックに変換するアダプター」も多くあります。

F-51Aでこれらを使う場合は、「USBオーディオ」という規格に準拠したものを選びましょう。

おまけ:実は「USB Type-C 3.5mmイヤホン変換アダプタ」も……


パソコンにつないで使えるんですよ(保証はないですが)

F-51Aに付属する「USB Type-C 3.5mmイヤホン変換アダプタ」は、USBオーディオに準拠しています。そのため、USB Type-C端子を備えるパソコンでも使えます

デバイス名は「Hi-Res Audio」と、ハイレゾ対応であることを示唆した感じとなっています。実際に、音声の出力と入力共に「96kHz/24bit」に対応しており、確かにハイレゾの基準(CD以上のスペック音質)を満たしています。

「もっと高音質にしたい!」という人は、もっと高音質なDAC(デジタルアナログコンバーター)を搭載するUSBイヤホン類を用意すれば良いのですが、F-51Aはどこまで高音質なものに対応しているのでしょうか……?

3. Bluetoothを使う


ワイヤレスもあり!

3つ目は、Bluetoothオーディオに対応するイヤホンを使う方法です。最近、ワイヤレスオーディオを実現する方法の1つとして注目されているやつですね。

Bluetoothは、通信速度が比較的控え目なデバイスをつなぐために用いる省エネ性に優れたワイヤレス通信規格の1つです。Bluetoothオーディオデバイス、厳密には「A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)」を用いるBluetoothイヤホンは、再生デバイス(スマホ)側で圧縮された音声を受け取って、それを再生します。

この圧縮方法(コーデック)にはいくつかの方式があり、F-51Aでは以下の規格に対応しています。

  • SBC
    Bluetoothオーディオが必ず対応しなければいけない圧縮方法(言い方を変えると、これ以外の方法は全てオプション扱い)。デバイスの互換性を考えなくても大丈夫なことがメリットだが、音声のずれ(遅延)が発生しやすい
  • AAC
    MP4(MPEG4)動画でも標準で使われている音声の圧縮方法で、SBCよりも高音質。Appleの「iPhone」では標準対応していたが、Androidでも Android 8.0から標準対応している(※)
  • aptX
    Qualcomm(旧CSR)が開発した圧縮方法。遅延を抑制することを重視している
  • apt X HD
    aptXをベースに、より高音質な伝送を実現した圧縮方法。Android 8.0以降では標準対応している(※)
  • LDAC
    ハイレゾ(CDスペックを超える)音声の伝送を実現すべく、ソニーが開発した圧縮方法。世に出た当初は同社のデバイスでしか使えなかったが、他社へのライセンスを開始したことと、Android 8.0から標準対応した(※)ことで、対応機器が急速に増えている

(※)「標準対応」は、OSに最初から対応するための機能が組み込まれているという意味で、実際に対応するにはメーカーが利用許諾(ライセンス)を取得する必要があります

現時点においてBluetoothオーディオで利用できる圧縮方法は全て網羅しています。自分のこだわり(あるいはイヤホンの購入予算)に合わせて選べます。