arrows MAGAZINE

2020.09.04 Fri

arrowsマニア情報局 第222回

ついに発売!「arrows 5G F-51A」の“arrows初”を探ろう!(その4)

arrows lifeをご覧の皆様、「せう」です。ようやく涼しくなると思いきや暑い日も混じっていて、なかなか過ごしづらい天気が続きます……。1年がずっと春とか秋ならいいのに、と思うこともありますが、それはそれできっと寂しいものなのでしょう。


「6」って何?

さて、「arrows 5G F-51A」の「arrows初」を3回に分けて見てきましたが、今回は4回目。Wi-Fi(無線LAN)について見ていきます。

Wi-Fi期待の新星「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」に対応!


無線LANとしては久しぶりに登場した新規格です

F-51Aは、今までのarrowsと同様にWi-Fi通信にも対応しています……が、注目したいのは対応している規格。何と、最新の「Wi-Fi 6」にarrowsとしては初対応したのです。

Wi-Fi 6は、厳密には「IEEE 802.11ax」という規格名の無線LANです。Wi-Fiは大きく「2.4GHz帯」と「5GHz帯」の2つの電波帯域を利用しますが、Wi-Fi 6は両方に対応しています。新規格という観点では、「Wi-Fi 5」こと「IEEE 802.11ac」以来約6年ぶりで、2.4GHz帯に絞ると実に約11年ぶりに登場することになります。

ただし、現時点ではWi-Fi 6は正式な規格ではありません。順調にいけば今年(2020年)の11月に正式規格化する、というスケジュールですが、電波の飛ばし方など、必要最低限満たすべき仕様は確定しているので、F-51Aを含めて、現在売っているWi-Fi 6対応機器は正式規格化後もそのまま使えます

メリットが多いWi-Fi 6


旧規格も世代名で呼ぶように

Wi-Fi 6はWi-Fiの相互接続認証をつかさどる「Wi-Fi Alliance」という団体が決めた呼称で、正式規格名ではスペックが高い(低い)のか比べづらいというユーザーの意見を受けて、「世代名で呼んでみよう!」と取り組んだ結果として生まれました。そういう経緯もあり、Wi-Fi Allianceは1世代前のIEEE 802.11ac(5GHz帯のみ)を「Wi-Fi 5」、2世代前の「IEEE 802.11n」(2.4GHz帯/5GHz帯)を「Wi-Fi 4」と呼ぶように呼びかけています。

先述の通りWi-Fi 6は久しぶりの新規格なのですが、ちょっとブランクがあったこともあり、昨今の通信環境を意識した改善が以下のように多く盛り込まれています。

  • 最大通信速度の向上(Wi-Fi 5比で最大約1.4倍)
  • スループット(実効通信速度)のアップ
  • レイテンシー(遅延)の抑制
  • 多デバイス接続時の通信品質の改善
  • アクセスポイントが複数ある場合の通信品質の改善(電波に親機を識別するための信号を付与)
  • 通信時のみ電波を強く発信する仕組みの導入(≒消費電力の抑制)

ただし、Wi-Fi 6の真価は、ルーター(親機)とクライアント(子機)の両方がWi-Fi 6対応でないと発揮できません。最近は、Wi-Fi 6ルーターの価格が下がってきているので、F-51Aの購入を機にルーターも買い換えると快適な通信を期待できそうです。

Android 10のarrowsは、ピクトに規格が出る!


Android 10のarrowsはWi-Fi接続時に規格が出ます!

F-51Aを含めて、Android 10以降のOSを採用するarrowsは、Wi-Fi接続時に接続先のアクセスポイントの対応規格名が数字で出ます。先の説明で察することができると思いますが、出てくる数字の意味は以下の通りです。

  • 「6」:Wi-Fi 6アクセスポイントに接続中
  • 「5」:Wi-Fi 5アクセスポイントに接続中
  • 「4」:Wi-Fi 4アクセスポイントに接続中
  • 数字なし:その他の規格(IEEE 802.11/11a/11b/11g)のアクセスポイントに接続中

ただし、現時点では「6」が出るのはF-51Aのみです。arrows初のWi-Fi 6対応機種なのですから、当たり前といえば当たり前です。


周波数帯は個別に見ないと分からない

なお、Wi-Fi 6やWi-Fi 4のように、2つの周波数帯に対応している規格では、アクセスポイントの詳細を見るとどちらの帯域でつながっているかチェックできます。マニア的にはピクトでチェックできるとうれしいですが、見た目の分かりやすさを損ないますからね……。