arrows MAGAZINE
スマホ写真講座arrows@支部
2019.02.13 Wed
スマホ写真講座arrows@支部 第19回
麺上げのポイントを覚えて、シズル感の強い写真を撮ろう
シズル感は想像力に働きかける
料理写真の現場では「シズル感」という言葉があります。もともとは食品のみずみずしさを表すために使われた言葉でしたが、最近では「より美味しそうに見せられたかどうか」の度合いを表現する言葉として定着しつつあるようです。
例えば麺類では、こう丼を撮っただけですと、少しあっさりしすぎてしまうというか、見た人に対して「これを食べたい!」という想像力を働かせる部分が少し足りないのです。そう、この想像力を働かせるために「シズル感」が必要なのですね。
そんな「シズル感」の出し方にはいろいろと王道のやり方があるのですが、今日紹介するのは中でも知っているだけで簡単に実践できる麺類のシズル感の出し方についてです。
通常、麺類のシズル感を出すには、箸で麺を持ち上げる「箸上げ」というテクニックを使うことが有名です。右手で箸をもち、左手でがんばって撮影している…そんな光景を見たことがある人も少なくないのでは。
ただし、実はそれだけだと少しだけシズル感が足りていません。箸上げをした上で、手前の箸に麺がかかっているようにするのがポイントなのです。
具体的にはこんな感じ。これ、ふつうに箸で掴むとこんな感じにはなりませんので、持ち替えるなどする必要があります。ただしその場ですぐに実践できるので、普段お箸を使っている方であればそう難しい作業ではないと思います。
なお、本来であれば麺の流れをキレイにしたり、麺が具にかからないようにしたりなど、さらに突き詰めるポイントがあるのですが、今回はあえて「手前の箸に麺をかけての箸上げ」だけをとりあえず覚えてもらえればと思っています。
ちなみにですが、あまり試行錯誤していると麺がのびたり冷めたりしてしまうので、お店の人に快く思われません。ぜひこういった作業は「サッ」と行い、早々に食べるフェーズに突入していただけますようお願いします。