arrows MAGAZINE

スマホ写真講座arrows@支部

2019.05.08 Wed

スマホ写真講座arrows@支部 第25回

ちょっとかっこいい、軌跡のある写真を撮ろう

こんにちは、ブログ「エアロプレイン」の のりおです。

arrowsで撮る、ということに注力するこの連載。今回は、軌跡がある、ちょっとアーティスティックな写真に挑戦してみましょう。

あえて被写体をブレさせる撮影

写真の1つの要素として、シャッタースピードというものがあります。いわゆるシャッターを開けている時間を表す指標ですが、この速度がはやければ早いほど撮影対象を止めて写すことができます。例えば新幹線が走っていたとしても、シャッタースピードがとてもはやければ、止まって写ることになります。

対して、シャッタースピードが遅いとどうなるかといえば、被写体の動きが写真に反映されてしまうため、ブレた画像ができあがります。そのため、基本的にシャッタースピードは遅くならないように保つものですが、表現としてあえて遅いシャッタースピードを採用する時があります。

これは、例えば動いている車の軌跡を残したいときや、極端な例でいえば花火で文字を書きたい、そんなケースに採用されます。

さて前置きが長くなりましたが、そんなシャッタースピードの遅い撮影をスマホでも実現することができます。

方法は2つありまして、1つは何度も紹介しているアプリ「LightroomCC」を使うこと。このアプリの「プロモード」を使うと、例えばarrows NX F-01Kの場合シャッタースピードを「1/6」から「1/68705」の間で設定することができます。とはいえ、シャッタースピードをはやくしすぎると(カメラの原理的に)ものすごく暗く撮影されますし、逆にシャッタースピードを遅くしすぎると、今度は手ブレをしたり、被写体ブレをしたりしてしまいます。特に手ブレは写真の中身が全てブレブレになりますので避けたいところ。

そこでオススメなのが、1/焦点距離という数値を使うこと。このシャッタースピードは、ギリギリで手ブレをせずに撮影する際の境目と言われています。たとえば焦点距離50mmのレンズを使っているのならば、1/50のシャッタースピードがひとつの基準となるわけですね。

ではarrowsはどうかといえば、おおよそ25mm前後の焦点距離になっていますので、1/25程度が目安になります。そしてこれくらいのシャッタースピードを採用することができれば、動く被写体の軌跡が残る写真が撮影できます。

たとえばこちら。東京駅前にて、1/25のシャッタースピードにて撮影しました。東京駅はブレず、目の前の車だけがブレて光の軌跡ができていますよね。

LightroomCCを使えば簡単にこのような写真を撮ることができるのです。

つづいてもう1つの方法ですが、こちらはとてもシンプルで、暗い場所で撮影することです。カメラの原理として、暗い場所を撮影するときは、シャッタースピードが遅くなります。これはより多くの光を取り込んで、暗い場所を明るく撮影するためにそうなっているのですが、今日は難しいことは考えず、暗い場所で撮るとシャッタースピードが遅くなる、くらいで大丈夫です。

たとえばこれは、深夜に街灯のあかりしかない道路を撮影したもの。シャッタースピードは1/10で、かなり遅く、タクシーと自転車どちらもブレて写っていますよね。この時はカメラを床に置いて撮影したので、1/10でもブレない写真を撮ることができました。

こうした写真を撮るときのポイントは、ブレていない(=動かないもの)部分と、激しく動いている部分を作ることです。先の写真では東京駅に対して自動車、こちらの写真では道路に対して自動車と自転車です。特に光るものの軌跡は目を引きますので、新幹線や高速道路などを撮ることができると、よりカッコイイ写真が撮れたりします。

ということで、実はこういった軌跡のある写真をスマホで撮ることも可能なんです。ぜひ試してみてくださいね。