arrows MAGAZINE

スマホ写真講座arrows@支部

2019.06.12 Wed

スマホ写真講座arrows@支部 第29回

写真の「奥行き」を出す方法を覚えておこう

こんにちは、ブログ「エアロプレイン」の のりおです。

arrowsで撮る、ということに注力するこの連載。今回は、写真に目を引く要素のひとつである「奥行き」について、意識するポイントをご紹介します。

「層」を意識するだけで奥行きは作れる

写真はあくまで2次元的なもの(画面であっても、プリントしたものであっても、あくまで平面)ですが、実際に多くの写真では、立体感というか、奥行きを感じることができていると思います。

その秘密は、「層」を作ることです。この層とは、いわゆる「被写体」と「背景」といった、自分から見たときの奥行きの層のこと。ただし、「コップ」と「テーブル」くらいだとなかなか層にはなりません。直感的に「これが手前で」「これが奥」と感じさせるくらいの、大胆な「層」が必要です。

こちらは奥行きがうまく出せなかった失敗例。確かに手前の落ち葉と奥の森、空という層はあるのですが、パッと見で何が手前で何が奥なのかを感じにくくなっています。その場ではものすごく奥行きを感じていたような場面でも、写真で切り取ってみると意外に平面だった、というのは良くあります。

こちらの作例では、被写体であるマグカップに対して、シンプルにテーブルだけを層とするのではなく、「マグカップ(手前)」「同じテーブルに置いてあるチラシ・植物(中ごろ)」「ガラスの向こうの背景(奥)」というように、明らかに「手前」と「奥」が意識できるものを3層作っています。おおよそ3つくらいのわかりやすい層があると、見ている人が奥行きを感じやすいようですね。

消失点を意識する

他の奥行きを作るための簡単な要素として「消失点」というものがあります。これは、奥に向かっていく線を意図的に写真に含めることで生み出すことができます。例えば道路、線路、建物など、奥に向かってすぼんでいくものにより、簡単に表現することが可能です。

たとえばこちらは、特になんの工夫もない写真ですが、道路が奥に向かっていくことと、建物がすぼんでいくことにより、奥行きを出すことができています。ただ、このように道路を人が遮ってしまうと、奥行きが感じられにくくなりますのでご注意を。

これくらい豪快に手前から奥に向かって伸びる線路や道路を入れておくと、強い奥行き感を出すことができます。なお、このように縦構図のほうが奥に向かっていく長い奥行きを作りやすいため、スマホ向けと言えるかもしれません。

今回は奥行きという要素を簡単に作るための、2つのポイントを説明しました。ぜひ日常的な撮影にも取り入れてみてください。