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arrowsマニア情報局

arrowsマニア情報局 第10回

久しぶりのハイスペックじゃないarrowsはどんな感じ? 「arrows Fit F-01H」はパワー厨の心にフィットするか?(前編)

arrows @をご覧の皆様、「せう」です、こんにちは。いよいよ11月ですね。食欲の秋も深まって参りました。体重にはくれぐれも気を付けたいですが、既に太っている私には関係ないことですね。


ドコモの15年冬モデル一発目の「arrows Fit F-01H」

それはさておき、ドコモの2015年冬モデルの先陣を切って、「arrows Fit F-01H」(以下F-01H)が登場しました。「arrowsジャーナリスト」(他称)と呼ばれることもある筆者としては、ドコモ向けarrowsとしては久々にハイスペックじゃない機種であることに興味津々です。

実は自分、ブログでは散々言っていますが「パワー厨」なのです。PCは購入時に一番いいCPUを搭載する構成を選びますし、メモリーも積めるだけ積んでしまうぐらいです。スマホもよほどのことがなければ最新のCPUを搭載していて、メモリーも沢山積んであるものを買ってしまいます。

が、最近いろいろ思うところもあり、ハイスペックじゃないF-01Hを実際に使って試してみることにしました。パワー厨である自分にF-01Hは「フィット」するのでしょうか……? 2回に分けて検証してみます。

SoCやメモリー:必要十分だが、ゲームをやる人にはちょっと厳しいかも


F-01HのSoC情報(左)と、15年夏モデルの「ARROWS NX F-04G」のSoC情報(右)

F-01HのSoC(※1)は、Qualcommの「Snapdragon 410」です。このSoCは、F-01Hのようなミドルレンジ(中位層)のスマホ・タブレット向けのもので、最大1.2GHz駆動する4コア(クアッドコア)CPU(※2)を搭載し、「Adreno 306」というGPU(※3)を搭載しています。

※1 System on Chip:CPUやGPUなど、スマホの動作に必要なチップを1枚のチップに集約したもの
※2 Central Processing Unit:コンピューターの要となる、各種演算を行う部分。
※3 Graphic Processing Unit:画面の描画を専門に担う部分。これを搭載すると、CPUは負担が減り、演算処理に専念しやすくなる。

それに対し、2015年夏モデルの「ARROWS NX F-04G」では同じくQualcommの「Snapdragon 810」というハイスペックスマホ・タブレット向けのSoCを搭載しています。こちらは最大2GHzで駆動する4コアと、最大1.6GHzで駆動する4コアの合計8コア(オクタコア)のCPUを搭載し、「Adreno 430」というGPUを搭載しています。


「Antutu Benchmark」をやってみると差は歴然

とりあえず数値でどれくらい差があるのかパワー厨としては気になるので、ストレートにF-01HとF-04Gで「Antutu Benchmark」でベンチマークテストをやると、全体性能では約1.9倍のスコア差が出てしまいました。ただ、この数値は単純に全スコアを「足し算」した値なので、項目によってはほとんど差のないもの、逆に1.9倍以上に差が付いているものもあります。


動画(左)は全く問題なし。3Dバリバリのゲーム(右)は厳しい……

ただ、ベンチマークの結果だけでは実際の動作がよく分からないところもあります。そこで、実際に使い込むわけですが、Webブラウジング、SNSのチェック、メールのやりとりなどなど、普段使っている場面では、有意な差を感じることはあんまりないです。動画の視聴も、SoCに動画再生補助機能が付いているので、通常スマホで視聴する範囲の動画であればスムーズに再生できます(ただし、Snapdragon 810より対応解像度は低いです)。

ただ、ゲーム、とりわけ3D描画をバリバリと使うものはちょっと厳しいかもしれません。「ツムツム」程度なら問題なさそうです。カジュアルゲームをやるくらいならF-01Hでも大丈夫そうです。

内蔵ストレージ:使い方によってはmicroSDカードを用意すべきかも


実利用可能な内蔵ストレージは7.82GB

F-01Hの内蔵ストレージは16GBです。ただし、OSのシステム領域など、ユーザーが使えない領域を除外すると、実際にユーザーが使える領域は7.82GB(※)です。

※発売当初の容量です。今後のソフトウェア更新でプリインストールアプリが追加(削除)されたり、OSバージョンアップが行われたりした場合、この容量は変更される可能性があります。

AndroidアプリはiOSと比較すると容量が少ない傾向にあるので、これだけの容量があれば通常は十分だと思います。しかし、音楽・動画・写真をスマホにたくさん入れる場合は容量不足になってしまうかもしれません。また、追加データを別途取得する形式のアプリではアプリを使えば使うほど容量を消費することもあります。

要するに、使い方によっては、16GBのストレージでは足りない可能性があるのです。ただ、F-01Hは最大で128GBのmicroSDXCカードを装着することができます。カメラ画像や音楽・動画データの保存先をmicroSDカードにすることで、容量不足を緩和することができます。使い方に応じて、microSDカードを用意しておくと良いでしょう。

画面:解像度は低いが、実は必要十分 有機ELは画面の綺麗さに注目


F-01HとF-04Gの画面サイズのイメージ

F-01Hの画面は、いわゆる「HD」と呼ばれる1280×720ドット(横に持ったとき、以下同)の解像度の画面です。F-04Gや今後発売予定の「arrows NX F-02H」で使われている「WQHD(ワイドクアッドHD、QHDと書かれることも)」と呼ばれる2560×1440ドットの画面の4分の1の解像度です。

こう書くと、何か画面が狭い、っていうイメージを抱きますが、インターネットの動画配信サービスで「HD」となっている動画は、大抵この解像度です。要するに、arrows Fitのコンセプトどおり現状に「ちょうどいい」「フィットする」ことを考えたら、これで十分なのです。

また、上の方で先に挙げた写真のように、F-01Hの画面は非常に鮮やかです。というのも、「有機ELディスプレイ」を採用しているからです。このディスプレイは、液晶とは違い、画素そのものが発光する仕組みとなっています。そのため、色をよりハッキリと表現しやすいことが特徴です。F-01Hは本体価格を抑えていることも特徴ですが、「安くてキレイ」を両立できていることは注目に値します。

前編まとめ:「ガチ勢」でなければ結構いいかも

まだ検証の途中ではありますが、F-01Hは、正直「パワー厨」には不向きな予感がしています……。スマホで、ゲーム、動画、写真……などなど、いわゆるマルチメディア関連の機能を使いまくる「ガチ勢」の皆さまは、素直に発売予定のF-02Hを待つべきだと思います。

一方、これらの機能をそこそこに、ほどほどに嗜む程度であれば、コストパフォーマンス(費用対効果)がここまで良い機種もありません。その辺のことは、(筆者が死ななければ)来週掲載予定の後編も併せて読むとハッキリするはずです。

ということで、後編をぜひお楽しみに!!