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arrowsマニア情報局

arrowsマニア情報局 第11回

久しぶりのハイスペックじゃないarrowsはどんな感じ? 「arrows Fit F-01H」はパワー厨の心にフィットするか?(後編)

arrows @をご覧の皆様、「せう」です、こんにちは。「衣替えをしようかな」と思うと暖かくなって、「めんどくさいから今までどおりでいいや」と思うと寒くなるとか、一体何なのでしょうか。


arrows Fit、フィットするかな……?

それはさておき、「arrows Fit F-01H」(以下F-01H)の発売から1ヶ月経過しました。「パワー厨」である筆者は、ドコモ向け機種としては久々のハイスペックじゃないarrowsに興味津々で、前回はSoCとメモリー、内蔵ストレージ、画面から検証していきました。今回は、検証の続きです。パワー厨である自分にF-01Hは「フィット」するのでしょうか……?

※文章中の最大通信速度は、特記のない限り理論値です。

モバイル通信:「PREMIUM 4G」エリアじゃなければハイエンド機と大差ない


「PREMIUM 4G」圏外な筆者宅でのスピードテスト結果。左がF-01H、右がF-04G。

F-01HのLTE(Xi)通信は、下り最大150Mbps・上り最大50Mbpsに対応しています。ドコモが最近都市部を中心に整備を進めているLTE-Advancedサービス「PREMIUM 4G」には対応していません。PREMIUM 4Gは、LTE通信の高速化はもちろんですが、混雑しているときの通信の安定性の向上に役立つ(本来の目的はむしろこっち)のです。

そうすると、対応・非対応の差が結構気になるところです。とりあえず、PREMIUM 4G対応で、下り最大225Mbps・上り最大50Mbps対応の「ARROWS NX F-04G」とスピードテストなどで比較してみました。

上の画像は、非対応エリアでの「RBB TODAY SPEED TEST」の結果を並べたものです。見れば分かりますが、F-01Hの方が通信速度が速く、電波強度(電波のつかみ)も数値上はより良好です。この結果は意外でしたw

一方、平日の通勤・通学ラッシュの時間にPREMIUM 4Gエリアで比べると、F-04Gの方がより高速で安定した通信できます。スピードテスト結果をキャプチャし忘れたので、画像はないのですが……。

身の回りにPREMIUM 4Gエリアがない場合は、モバイル通信のスピード差は「ほぼ無い」と言って良いでしょう。

安価ながらも5GHz帯対応で、マルチコネクションもOK


安価で5GHz帯Wi-Fi対応のスマホは珍しいのです!

ミドルスペックのスマホだと、コスト面の問題から5GHz帯のWi-Fi(無線LAN)対応を省くことがあります。「それがどうかしたの?」と思われるかもしれませんが、5GHz帯は、免許不要な電波を使った無線デバイス(Bluetoothや無線キーボード・マウスなど)や電子レンジによる電波干渉がなく、快適な通信ができるメリットがあるのです。

F-01Hでは、ミドルスペック機ながら、5GHz帯のWi-FiのうちIEEE 802.11aと11n(※)に対応し、最大150Mbpsで通信できます。そのため、電波がたくさん飛び交っている環境でも快適な通信ができます。

※IEEE 802.11nには、2.4GHz帯もあります。F-01Hは、こちらにも対応しています。


マルチコネクションにも対応

また、F-01HはWi-Fiとモバイル通信を同時に待ち受けることで通信の安定性を向上する「マルチコネクション」にも対応しています。このような機能も、ミドルスペック機ではあまり搭載されないものです。特に、Wi-Fiスポットが乱立している地下鉄駅では、結構役に立つ機能だと思います。


さすがに11ac対応・非対応の差は大きい……(左がF-01H、右がF-04G)

ただ、5GHz帯のWi-Fiをより高速化したIEEE 802.11acには対応していません。自宅のWi-Fiルーターは11ac対応で、最大1.3Gbps(3本のアンテナに対応した機器の場合)で通信できるのですが、F-01Hでは実力を発揮しきれない、ということです。

もっとも、スマホで100Mbps(12.5MB/秒)の通信が常時必要かと言われるとそうでもありません。ここでもF-01Hのコンセプトである「ちょうどいい」「フィットする」感じです。

外部接続:「Miracast」で動画やプレゼンなどを投影できる!


Miracastで「dアニメストア」も快適に投影!

F-01Hは、「Miracast」というWi-Fiによる画像伝送に対応しています。対応のアダプター、あるいはテレビに映像を投影できます。動画やプレゼンシートなどをより大きな画面に投影したいときにすごく役に立ちます。MiracastアダプターとUSB接続のACアダプター(か、モバイルバッテリー)を持ち運んで、出先のデジタルテレビやプロジェクターのHDMI端子に挿してプレゼン、という使い方をすれば、パソコンを持ち運ぶ必要すらありません。

より安定した映像伝送をするなら、有線接続できる「MHL」に対応しているとうれしいところですが、F-01Hでは対応していませんorz コストとのバランスを考えたら仕方ないですね…。

おサイフケータイ:これを省かず搭載したことは素晴らしい!


F-01HはモバイルSuicaも使えます!

ミドルスペックで、コスト重視のスマホだと、「何を搭載して何を省くのか」が結構重要な要素です。ここで判断をミスすると使いづらくなってしまうのです。

F-01Hでは、テレビ機能(ワンセグ・フルセグ)や赤外線通信機能を省き、おサイフケータイを搭載しました。F-01Hのターゲットとするユーザー層では、おサイフケータイをポイントカードとして使っていることが多いようなので、ある意味この判断は正解かもしれません。

自分も、おサイフケータイは携帯電話で一番使う機能のひとつで、F-01Hに「モバイルSuica」や「iD」などを設定して便利に使っています。

後編のまとめ:「ガチ勢」でなければ結構いいかも(またかよ)

前回のまとめでも書いたとおり、ゲーム、動画などを徹底的に楽しむ「ガチ勢」の皆さまは、「arrows NX F-02H」を待つことがお勧めです。

一方、今回紹介したとおり、安めのモデルでありながら、5GHz帯のWi-Fiが使えますし、Miracastで画像の外部投影もできますし、おサイフケータイも付いているので、普段使いで何でもそこそこ使う人にはかなりお勧めです。

ぜひ、ドコモショップなどで実機に触って、その「丁度良さ」を体感してみてください!