arrows MAGAZINE

こんにちは、ブログ「エアロプレイン」の のりお です。

arrowsで撮ることに注力したこの連載。今回は最新機種「F-51A」発表当初から話題になっていたAdobe Photoshop Expressとの連携機能についてチェックしていきます。

このPhotoshop Expressとの連携機能は、カメラの1機能として提供されており、カメラアプリを起動して「Photoshop Expressモード」を選択すると適用することができます。

このPhotoshop Expressモードで撮影された画像は、撮影直後すぐにPhotoshop Expressアプリに手渡され、速やかに自動補正がかけられた後に端末へと保存されます。この際、端末には未補正の写真「xxx.jpg」とPhotoshop Expressで補正済みの写真「xxx-1.jpg」が両方保存されますので、自動補正前後でその効果を比較することができます。

ちなみにこの処理には3〜4秒かかるため、たくさん撮影したい状況ではちょっと不利ですね。また、このモードでは標準レンズ以外が使えません。なぜ！ここはどうにかして欲しい。

さらにこの補正処理の名前が「自動強調表示」という聞き慣れないものになっているので「とくに強調はしたくないのだけど…」という気持ちになりがちですが、これはいわゆるAdobePhotoshopに共通する自動補正の呼び名だと思ってもらって大丈夫です。個人的には、なんでこんな呼び名にしたのかが謎ですが。

さて、早速ですが以下では作例です。どれも上が補正前、下が補正後になります。

↑補正前　↓補正後

うーん、補正後は温かみのある色に寄せられすぎて、補正前の抜けるような空の青さがなくなってしまいました。

続いてこちら。

↑補正前　↓補正後

なぜか補正後は夕方に撮影したかのような色合いになってしまっています。おそらくですが、これは空の青い部分を基準にホワイトバランスを自動調整したからに思えますね。確かにAdobeの写真現像アプリ「Adobe Lightroom」などでもこの現象は起きますので、Adobe共通のクセなのかもしれません。個人的には、この色味にはしてほしくないかな。

↑補正前　↓補正後

この自動強調補正も、青っぽくなってしまいました。気になってPCのAdobe Lightroomでホワイトバランスを自動補正してみたところ、同様の色味になりましたので、この写真は自動補正するとそうなってしまう、ということなのでしょう。

率直なところ、この自動強調補正は明るさ面の補正だけしてくれるようなシチュエーションではある程度効果的なのですが、ホワイトバランスを補正して欲しくない時に、好みでは無い色合いに変更されてしまうことが多々あるような気がしています。

その証拠に、ホワイトバランスの自動補正があまりされないようなシチュエーションでは、そこまで嫌な感じの補正にはなりませんでした。

↑補正前　↓補正後

ちなみにPCのLightroomで同様の結果が出るように補正したときのパラメーターが以下の感じです。

これはAdobe社がプロユーザーなどの補正を学習して導き出した「最近の流行」に近しい写真へと補正してくれるパターンに近い結果です。具体的には、コントラストを下げ、ハイライトをすごく下げ、シャドウ補正を強くかけ、白レベル補正もそこそこ強くかける、というパターンですが、画像の僕が合わせてみた補正結果とほぼ一致しています。

ということで、結論からいいますと、Photoshop Expressの補正は、いわゆるAdobe社共通の味付けな「自動補正」をそのままかけているだけ、のように思えました。個人的にはF-51A向けにカスタマイズしてくれると良かったなと思うのですが、そのあたりはあまり考慮されていないように感じます。せめてホワイトバランスはそのままというモードがあれば良かったのですが、そうもいかないようです。

聞くところでは単にカメラアプリからJPG画像の撮って出しをPhotoshop Express側に渡しているだけという噂もありますし、実際そんな感じを受けます。ホワイトバランスまでいじるのであれば、すでに圧縮のかかったJPGではなく、センサーのデータそのままを渡すRAWをPhotoshop Expressで処理してから、改めてJPGを出してもらえるといいのだけど。

繰り返しになりますが、標準レンズしか使えないところももったいない感じ。惜しいなあ。アプリの更新などでもう少し良い感じになるのでしょうか。

ただ、誤解が無いように言っておくと、カメラは悪くないです。だいぶ使いやすいと思っています。このPhotoshop Expressモードが惜しい感じなのです。

Photoshop Expressのアプリ更新で機能改善・追加もされていくようなので、これから改善されていくことを期待しています。

次回も引き続き各モードをチェックしていきたいと思います。