arrows MAGAZINE

2020.10.07 Wed

スマホ写真講座arrows@支部 第86回

arrows 5G F-51A 標準レンズで寄って撮る(マクロ機能の)コツ

こんにちは、ブログ「エアロプレイン」の のりお です。

arrowsで撮ることに注力したこの連載。今回はF-51Aの標準レンズの強みのひとつといえる「3cmまで寄れる」マクロ機能を使うこなすためのポイントです。

3cmまで寄れるレンズは貴重

今回のF-51Aは3つのレンズを備えており、それぞれが得意・不得意な領域を持っているようだというのは、これまでにもお伝えしてきました。
今回は、その中でも最も使用頻度の高い標準レンズにて、3cmまで寄れる機能を最大限に生かすためのポイントをお届けします。そもそも、この3cmまで被写体に近寄れるというのは、一般的なカメラでもなかなかないもの。このF-51Aならではの強みと考えて問題無いくらいの魅力的な機能です。

しかし、この3cmまで寄れる機能(以下、マクロ機能と呼びます)は、スマホであるがゆえに使い方が難しいところもあり、使いこなしにはコツが必要です。そこで今回はそこを解説しておきたいと思っています。

ピントを合わせるのがとても難しい

簡単にいってしまうと、スマホでこのマクロ機能を使ってピントを合わせるのは、とても大変です。というのも、マクロ機能を使うということは、被写体にとても近くまで寄っているということで、ピントの位置も繊細になる場合が多いと考えられます。

例えばこの作例は、アサガオの雄しべにフォーカスを合わせて撮影したものです。

想像してもらえればわかると思うのですが、スマホ上でピントを合わせる■に対して、雄しべはだいぶ小さいのですね。そのため、雄しべにピントを合わせようとしても前後の別の部分にピントが合ってしまうことがあります。また、スマホの画面上でそのピントの合う・合わないを確認するのはなかなか困難で、それもピントを合わせるのを難しくしています。

ではどうするか?

ここで使うのは、マニュアル撮影のマニュアルフォーカス機能です。

このとき、フォーカスを花のマークに合わせておけば、このレンズが最も近寄れる距離(約3cm)にフォーカスが固定されます。そうした上で、スマホと被写体の距離を前後に微調整して、画面を見ながら「最もフォーカスが合っていそうな時」にシャッターを切ります。

さらに、出来ればこの時、10枚や20枚程度、微調整を繰り返しながら撮影することを繰り返しましょう。さらにですが、シャッターを押すときは、息を止めると、瞬間的に静止しやすくなりますので、おすすめです。また、テーブルフォトの場合は肘や腕などをテーブルに載せることができれば、より安定して微調整がしやすくなります。

ちなみにですが、なぜ枚数を撮るかといえば、残念ながらこの作戦に確実性が無いからです。フォーカスの合っている・合っていないを肉眼でしか確認できない以上、撮った後にしかピントが合っているかどうかを確認できないのです。そのため、ピントが合っていると思われる写真を大量に生成し、最もピントがあっているであろう1枚を選ぶのが合理的かつ失敗しにくい方法となります。

例えばこれらの写真は、10枚ほどの撮影の中から最もピントが良さそうなものを選んでいます。

この方法であれば、スマホを固定できるような三脚がなくても、劇的に失敗を減らすことができます。正確には、たくさんの撮影の中から成功を生み出す方法ですね。ぜひ試してみてください。