arrows MAGAZINE

arrows研究所

2018.03.27 Tue

arrows研究所 第136回

フォトグラファーに聞いた写真撮影のコツ!

どうも!I川です。
最近よくスマホで写真を撮影するのですが、どうしても「う~ん」って思う写真しか撮れないんですよ~。
せっかく良いシーンだったのに写真を見てがっくりということが続いちゃって…
これではいかんということで、今回はフォトグラファーの「MACH」さんにご協力いただき、写真撮影のコツをお伺いします!
まず、簡単にMACHさんのプロフィールをご紹介しますね。

MACHプロフィール

1983年生まれ
日本大学芸術学部写真学科卒業
在学中よりマガジンハウスにてカメラマンとしてアルバイト
小松勇二氏に師事
フリーカメラマンとして独立
第80回毎日広告デザイン賞最高賞受賞

では本題に入ります。
今回はQ&A形式でMACHさんにいろいろ聞いて行きたいと思います。

I川まずスマートフォンで撮影するにあたり気をつけることはありますでしょうか?

MACH第一にカメラのレンズを綺麗にしておくことが必要です。レンズクリーナーを持っている人は少ないと思うので、メガネ拭きや、どうしてもない場合はハンカチ等の布で綺麗にレンズを拭き取っておくと良いです。
レンズに指紋などの汚れがついていると、下記のようになってしまいます。

  • 太陽から光の線のようなものが出ている様に写ってしまった写真

I川これは、レンズの汚れが関係しているんですね。確かにこんなこと良くあります。

MACHあとスマートフォンで撮影する場合、軽くふらついて固定し辛いので両手で持ってしっかり固定することが大事です。さらに脇をしめると良いですよ。ポーズとしてはこんな感じで。

MACHまた、近くに手すりなどあったら、その手すりに肘を乗せたりするとより固定がしっかりできます。

I川なるほど、そうですね。今度撮影する時はそのようにします。
続いて、撮影するときに意識したほうが良い点は何かありますか?

MACH余白を意識してみるといいと思います。
通常はメインのものを中心に写しがちですが、かなり万能に使える黄金比が三分割法です。arrowsのグリッド機能を利用すると、画面上に縦、横2本ずつのグリッド線が表示されます。この線上に被写体をわざとズラして撮影する事で、容易にワンランク上の写真になるはずです。良い写真を撮る方法ない?と聞いてくる方の大半がこのグリッドを表示していないか、何の為のグリッドか分かっていないのです。
例えばこの車の写真ですが、車を真ん中に持ってくるより、グリッド線に沿って左右どちらか三分の一に配置してみると、その場のドラマ感が生まれるような写真になっていないでしょうか?

  • 車を中心にした写真
  • 車をグリッド線に合わせた写真

I川確かに同じものを撮っていてもグリッドを意識するだけで、だいぶ見え方が違うんですね。
あと、私は夜景や空など景色をよく撮るのですが、なかなかうまく撮れなくて…夜景や空などの撮り方でコツはありますか?

MACH空を撮るには太陽に背を向けて順光で撮ることをオススメします。そうすることで、より空が青く綺麗に撮影できます。また、空気が澄んでいる冬の空は綺麗に撮れる事が多いのですが、夏場は、湿度が高く水蒸気等の影響で霞む事が多いんです。夏は大気中のチリなどが落ちて綺麗な空になることが比較的多い、雨上がりに撮ることをオススメします。
あと、さっきお話ししたグリッドを利用して空を2/3ぐらいにするとバランスが取れ、空気感のある写真になりますよ。また縦位置で撮る事によって開放感を表現してみるのもいいと思います。

  • 逆光で撮影した空の写真
  • 順光で撮影した空の写真
  • 縦位置で撮影した空の写真

I川撮り方でこんなにも空の色が変わるんですね。これはびっくりです!夜景はどうでしょうか?

MACHスマートフォンでの夜景撮影でよくある失敗としては、手ブレです。日没後は思いのほか暗くなっていて、その結果かなりシャッタースピードも落ちるので、手ブレが起きやすくなります。また、三脚を持っている方も少ないのでより手ブレが起こる可能性が高くなります。
そこでオススメなのが、日没後の数十分のマジックアワーと呼ばれるタイミングに撮影することです。薄明かりの空と夜景をバランス良く収められたら最高ですね。あまり暗くなってしまうと建物と空が同化し、光が点にしか見えなくなります。夜景を撮影したいのであれば日没後すぐを狙ってみてください。

  • 通常の夜景写真
  • マジックアワーに撮影した夜景写真

I川マジックアワーに撮影した夜景写真のほうが圧倒的に綺麗ですね。今度挑戦してみます。
あと、私はあまり撮らないですが、料理やお子さんを撮る人が多いと思います。そんな人たち向けてアドバイスはありますか?

MACH料理に関しても、良く撮影方法を聞かれるのですが、質問してくる人の多くが引きで料理全体を撮っている事が多いです。もちろん全体を撮影するのも悪くはないのですが、今までとは違う写真を撮影する第一歩として、お皿なんかは大胆に切って料理自体に迫ってみるということが必要です。寄るというか迫る!これは私が仕事で良く使うテクニックなんですが、かなり効果的です。
また、ズームを使ってみてください。よくスマートフォンのカメラはズームを使うなとネットに書かれていますが、ある程度なら私はOKだと思います。なぜならarrowsに限らず、多くのスマートフォンは広角レンズが搭載されており、このまま料理や物に寄って撮影すると周辺が膨張するように変形してしまうからです。なので、うまくズームを利用すると膨張を防ぐことができます。
さらにワンランク上の写真を目指すならば、斜逆光くらいで撮ってみてください。陰影がついて料理が立体的に見えるはずです。この時はガラス面にカウンターがあり、外光を右斜45度程度に向けてます。

I川うんうん!凄く美味しそう!

MACH子供に関しては子供の目線までスマホを下げてみましょう。大人目線からお子さんを撮ろうとすると表情をしっかり捉えにくいと思います。もちろん大人目線からでも可愛い写真は撮れるのですが、下げた方が表情を捉える確率が圧倒的に高くなります。また、走っている子供などは一緒に走りながら画面を見ずにローアングルから適当にシャッターを押すだけでも、とても躍動感ある写真が撮れる事があります。あまり傾きなど意識せずガンガン撮影してみてください。

I川確かにそうですね~

MACHその他にもこんな感じの写真を撮ってみました。
1枚目は夕方、橋の上を歩いてる時に西日が長い影を作っていたので、人が来るのを待って撮影してみました。構図的に画面の対角を使うのもテクニックの一つなので、影でそれを表現してみました。

MACH2枚目は綺麗な空をバックに葉を落とした複雑な枝のシルエットを画面で切り取りました。ちょっと空が割れてるように見えませんか?

MACH3枚目はちょっとしたテクニックなんですが、初日の出など、朝日を撮ったはずなのに、『綺麗な夕日だね。』と言われた事はないでしょうか?実はこの記事の【レンズを綺麗にしておきましょう】で利用した画像も朝日なんですが、どうしても夕日に見えてしまうと思います。そんな時はホワイトバランスを使って画面を青っぽくしてみると、朝日っぽく見えるようになりますよ。どうです朝日っぽく見えませんか?

I川いや~、すごいですね。MACHさん
何か今回はいろいろなことを学ぶことができました。
早速どこかに撮影に出かけてみようと思います。ご覧の皆さんも是非挑戦してみてください。

それではまた次回!