arrows MAGAZINE

2020.03.06 Fri

arrowsマニア情報局 第199回

「arrows 5G」が登場!? って、そもそも「5G」って何?

arrows lifeをご覧の皆様、「せう」です。先週末から風邪を引いてしまいまして、ようやく元通りになりました。幸い、最近はやりの「アレ」ではなかったようです。


arrows 5G……だと!?

本来であれば、原付スクーターで行く無謀な旅の続きをお伝えしたい所なのですが、arrows絡みでビッグニュースが舞い込んだので、それに関連した話題を解説しようかと。

というのも、スマートフォン用のプロセッサ(※1)を作っているアメリカ企業「Qualcomm(クアルコム)」が、「Snapdragon 865」という新プロセッサを搭載する発売予定のスマホの一覧を公表したのですが、その中に「FCNT arrows 5G」という文字列があるではありませんか……。

FCNTは「富士通コネクテッドテクノロジーズ」の英字略称。つまり、約5年ぶりにフラグシップなarrowsが世に出てくる可能性が高まったということです。やっとですよ……。

ところで、arrows 5Gの「5G」って、最近よく聞きますよね。一体何なのでしょうか?

  • (※1)
    ちょっと詳しい人向けのメディアや雑誌だと「SoC(System-on-Chip)」と表記されることもあります。SoCはその名の通り「コンピューターシステムに必要なプロセッサを1枚にまとめたもの」で、計算処理をする「CPU」、グラフィックス処理をする「GPU」や、通信をするための「モデム」などをひとまとめにしています。

5G=第5世代移動通信システム≒規格名


3GPP(業界団体)が策定した「5G」ロゴ

「5G」は「第5世代移動通信システム」の略、つまり、無線を使って通信をする携帯電話の5世代目の通信規格のことです。今までどんな世代があったのか、簡単に振り返ると……

・第1世代(1G):アナログ携帯電話
・第2世代(2G):デジタル携帯電話(日本の「PDC」や海外の「GSM」など)
・第3世代(3G):高度化したデジタル携帯電話(「W-CDMA/UMTS」や「CDMA2000」など)
・第3.9世代(3.9G):データ通信に特化したデジタル携帯電話(LTE)
・第4世代(4G):LTEをさらに高度化(高速化+α)したデジタル携帯電話(LTE-Advanced)

こんな感じです。実は「4G」からは「通信規格としての第4世代」と「商用サービスとしての第4世代」の齟齬(そご)が一部で生じたため、ちょっとややこしいことになっています。

第3世代まではいろいろな会社からさまざまな規格が提案されていましたが、「世界中で使う上でよろしくない」という話になり、第3世代と第4世代の“つなぎ”である第3.9世代の「LTE(Long Term Evolution)」からは業界統一規格になりました。

5Gは、LTEや「LTE-Advanced」の流れを受けた新世代通信システムです。通信規格としての5Gは、正しくは「5G New Radio」、略して「5G NR」と言います。実は、世代名が規格名の一部として利用されるのは、この5Gが初めてだったりします。

で、5Gって強いの?


5Gの3つのポイント(NTTドコモのWebサイト

先にも言った通り、5GはLTEやLTE-Advancedの流れを受けたもので、両者が目指したものをさらに突き詰めようという通信規格です。つまり「もっと高速で大容量な通信」「もっと遅延の少ない(応答の速い)通信」「もっとたくさんのデバイスをつなげる通信」を目指しています。

「高速・大容量」は、5Gの初期段階で体感できる違いです。その理論上の目標値は「下り最大20Gbps以上・上り最大10Gbps以上」です。恐らく、今年の国内サービス開始時はそこまで高速ではないでしょうが、LTE/LTE-Advancedよりは高速な通信を実現できるはずです。

残る「低遅延」と「多接続」については、規格上まだ確定していない部分もあるので、メリットを体感できるのは2~3年後ぐらいになると思われます。

遅延(応答速度)については「片道1ミリ秒(0.001秒)以下」が目標です。ここまで遅延が少なくなると、建設機械や遠隔手術など、ミッションクリティカルな要素でも十分に使えます(ただし、無線通信以外の遅延をどれだけ減らせるかにもかかっています)。

多接続については「1平方キロメートル当たり100万台」が目標です。これだけたくさん接続できれば、人が集中する場所での通信がしやすくなるのはもちろん、従来はWi-Fi(無線LAN)やBluetoothなどでつないでいたIoTデバイス(リモート操作できる家電など)を5G通信で代替できるようになり、導入難易度が下がることが期待されています。

というわけで、arrows 5Gつながりで5Gについて簡単に解説してみました。これでも難しかったら、感想等寄せて下さい……。